■ 相続税とは

 相続税は相続や遺贈(遺言によって財産を与えること)によって財産を取得した者が負担します。
 相続税は贈与税に比べ税率が低く、遺産価額から差し引かれる基礎控除や税金から引かれる配偶者軽減などがあり相続税を支払うケースは多くありません。
 ただし申告しなければ受けられない内容もありますので注意が必要です。課税遺産額をおおよそ計算して課税対象になるのかならないのかを判断することが先決です。また、平成27年1月以降の相続については一部改定されます。

■ 課税対象となる相続財産とは

1 相続財産
 被相続人が死亡の日に所有していた現金・預貯金・債権・不動産・動産など一切の財産です。
2 相続税上のみなし相続財産
 被相続人の死亡に伴って支払われる退職金や生命保険は相続税の計算上は相続財産とみなされます。
 ただし生命保険金は保険契約の内容によってはみなし相続財産に含まれない場合もあります。

保険金の税区分

ケース 被保険者 保険料の負担者 受取人
亡くなった方(A) 亡くなった方(A) 相続人(B) 相続税
亡くなった方(A) 相続人(B) 相続人(B) 所得税
亡くなった方(A) 相続人(B) 相続人(C) 贈与税

・本来死亡保険金は亡くなった後に発生しますので相続財産にはなりませんが、ケース1の場合は税法上はみなし相続財産として相続税の計算に含まれます。 ケース1の場合は相続税の計算の際、保険金の受取額から 500万円×相続人数 が控除できます。

在職中に亡くなって支払われる退職金
 在職中に亡くなって支払われる死亡退職金の相続税の取り扱いは、上記保険金のケース1と同様の控除ができます。
 通常の退職金を受け取った後に亡くなった場合の退職金は本人の相続財産ですので上記の控除はありません。

3 3年以内の贈与財産
 被相続人の死亡前3年以内に相続人が贈与を受けた財産は相続税の計算上は相続財産に加えられます。
 ただし生前に被相続人が贈与税の配偶者控除を受けた財産の控除部分は除かれます。

 【 キーワード 】
 贈与税の配偶者控除・・・・・婚姻20年以上の配偶者が居住用の不動産の贈与または購入資金の贈与を
               受けた場合は一回だけ基礎控除を含め2110万円まで贈与税はかかり
               ません。

4 相続時精算課税制度選択者の課税財産
 この制度を選択した場合の贈与財産は贈与時の価額で相続財産に加えられます。

■ 課税対象とならない財産と税額を低くするものは

1 課税対象とならない非課税財産
 お墓・仏壇・祭具などは課税されません。また被相続人の生命保険金の前記ケース1と死亡退職金は各々500万円×法定相続人数の部分が課税されません。
2 相続財産から控除できるもの
 ローンなどの債務や未払いの税金や入院費や葬式費用は相続財産から差し引くことができます。(香典返しは含みません)
3 相続財産から控除できる基礎控除
 相続財産から5000万円と法定相続人1人当たり1000万円を相続財産から差し引くことができます。(平成27年1月以降は改定されます。)
 相続放棄をした人も人数にいれます。養子は実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までが対象人数です。

■ 不動産の評価(相続税評価額)とは

1 宅地
 宅地の評価は路線価方式と倍率方式があり、市街地の場合は路線価方式で道路に面している1u当たりの評価額に面積を掛け奥行価格補正を掛けたものが評価額となります。
 さらに240u以下の被相続人と同居の親族が引き続き居住する宅地は遺産分割が成立していることと申告書の提出を条件に評価額が80%減額され、課税対象遺産額を低くできます。(平成27年1月以降は改定されます。)

 【 キーワード 】
 奥行価格補正・・・・・路線価は土地が正方形の場合で正方形でない場合は奥行きによって評価を
            補正します。奥行きが間口より長い場合は価額が下がります。

2 建物
 建物の評価は固定資産税評価額です。

相続税の計算は

1 遺産総額(相続財産の総額)を出します。
2 遺産総額から基礎控除を差し引いて課税遺産総額を出します。
 課税遺産総額=相続財産−(5000万円+法定相続人×1000万円) ⇒ (平成27年1月以降は改定されます。)
3 課税遺産総額を調整して課税対象遺産額を出します。

課税対象遺産額 = 遺産総額 +  死亡退職金・生命保険金などのみなし相続財産 + 3年以内の贈与財産 - 500万円×法定相続人数 - 葬式費用 - 債務

 ◎相続税を算出する「課税対象遺産額」は遺産分割をするための「遺産の総額」や遺留分制度の
 「遺留分算定の財産額」とは異なりますので注意してください。
4 課税対象遺産額を各相続人が法定相続分で相続したと仮定して按分します。
5 各相続人が法定相続分で相続したと仮定して各相続人の相続税額を相続税速算表に当てはめてそれぞれ計算し、それらを合算します。
6 合算した税額を実際の遺産分割比率で分けて、各相続人の相続税額を出します。
7 各相続人に次の税額控除があればそれを差し引いた額が各相続人が納める税額になります。

<相続税速算表>(平成27年1月以降は改定されます。)

課税価格 税 率 受取人
1000万円以下 10%
1000万円超〜3000万円以下 15% 50万円
3000万円超〜5000万円以下 20% 200万円
5000万円超〜 1億円以下 30% 700万円
1億円超〜 3億円以下 40% 1700万円
3億円超 50% 4700万円

■ 税額から控除されるものは (各相続人ごとに対象となる場合の控除)

1 相続税の配偶者控除
 配偶者の取得遺産が法定相続分以下又は1億6,000万円以下であれば配偶者に相続税はかかりません。
 遺産分割協議完了と納税額が無くても申告が必要で、申告がないと適用されませんので注意してください。
 また、配偶者の他に子供などの相続人がいた場合に、配偶者控除額を目いっぱい使って相続税の負担を軽くしてもその後配偶者が亡くなって子供が相続した場合(二次相続)には配偶者控除がありませんので検討が必要です。
2 未成年者控除(平成27年1月以降は改定されます。)
 未成年者が20歳になるまでの年数1年につき6万円を相続税額から控除できます。
3 障害者控除(平成27年1月以降は改定されます。)
 障害者が70歳になるまでの1年につき6万円(特別障害者は12万円)を相続税額から控除できます。
4 相次相続控除
 10年以内に2回以上の相続があった場合は最初の相続税の一部を2回目の相続税から一定額を控除できます。
5 相続時精算課税制度(平成27年1月以降は改定されます。)
 65歳以上の親(生前の被相続人)から20歳以上の子に贈与した財産額から非課税枠の2500万円を控除した額の20%を贈与時に贈与税として納め、その贈与時に支払った贈与税分を差し引いて相続税と精算するものです。
 相続財産に合算する額は贈与当時の評価額となります。

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